プライム・ビデオで映画「ソラリス」を観た
昨夜なんとなくAmazon Videoを眺めていたらレコメンドされていたので鑑賞したのですが案外良かったので、少し古い映画ではありますがオススメしておこうと思います。
概要
邦題 | ソラリス |
原作 | ソラリス |
監督 | スティーブン・ソダーバーグ |
脚本 | スティーブン・ソダーバーグ |
主演 | ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン |
ストーリー
惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーション・プロメテウスが、ある日突然連絡を絶ってしまう。調査を依頼された心理学者のクリス・ケルヴィンはプロメテウスに向かう。
って、短いなっ!
この作品は2回映画化されており、スティーブン・ソダーバーグ版はその2回目にあたります。タルコフスキー監督が製作した前作「惑星ソラリス」のあらすじも貼っておきますね。
ストーリー(タルコフスキー版)
海と雲に覆われた惑星ソラリスを探索中の宇宙ステーション「プロメテウス」との通信が途切れたことから、心理学者のクリスは調査のために派遣される。
「プロメテウス」に到着したクリスが目にしたのは、友人の自殺死体、いないはずの人物の痕跡、そして知性を持つ有機体である海が及ぼす、不可解な現象の数々であった。
どうやら、この不可解な現象は惑星ソラリスを覆いつくすソラリスの海がなんらかの知的活動を行っており、その結果として引き起こされているものである可能性が見出された。はたして人類は「ソラリスの海」との間にコミュニケーションすることができるのか。ソラリスの海が考えていることを人類は理解できるのか。形而上的な課題がたちあらわれる。
前半のネタバレ
クリスは旧友ジバリアンに請われ調査船プロメテウスに乗り込むのだが、プロメテウスに着いた時には既にジバリアンは自殺していた。クリスはいきなり見つけた死体や調査船に似つかわしくない少年の存在に疑問を抱くものの、クルーであるスノウを見つけ……彼もまた尋常ではない様子なのだが、現在の状況を聞き出すことにする。彼によればクルーの大半は既に他界しており自室に引きこもったゴードン(女性です)とスノウ、そしてまだ幼いジバリアンの息子の三人だけがこの船に残っているという。
ゴードンとの対話に成功したクリス。ゴードンは「"それ"は自分にも起きなければ理解することはできない」とクリスに語る。
訝しみながら自室を確保したクリスの前に彼の妻「レア」が現れる。こんなところにいるはずがない、詰問するクリスだが彼女はこの数年の記憶が欠落しており何も覚えていないのであった。
感想
宇宙船で発生した謎のアクシデント、大半が他界しているクルーなどの要素から連想するのはエイリアンみたいなSFホラーだと思うのだけど、「惑星ソラリス」のあらすじから私はコズミックホラーを期待して観ていて、蓋を開ければそういう要素も含んではいるものの実質はラブロマンスだったような気がする、そんな作品でした。
クリスは亡き妻レアとの諍いに後悔しており、レアが再び自分の前に現れたことでやり直したい、彼女を再び喪いたくないと思っているが、レア自身は自分がオリジナルのレアではないことを理解しており、自分の記憶(クリスの記憶を元に再構成されたもの)とアイデンティティーの狭間で苦悩している。結局はクリスの記憶を投影しているのでクリスを愛してはいるのですが、人間ではない自分が地球に行くことは出来ないことも理解しているのです。
クリスの回想とともにレアの記憶が蘇っていく構成は、終わってみればなるほどと思うもののタイムラインが入り混ざっていて現在の話なのか過去の話なのかちょっと判りづらいところもあり。
個人的には主人公のクリスより脇役のスノウやジバリアンが好きですね。特にジバリアンとの問答は痺れる。
「お前はジバリアンではない」
「では私は誰だ?」
「操り人形だ」
「君は違うのかね。人間だと思っているだけかもしれない」
「There are no answers, only choices.(答えはない。選択があるだけだ)」
あのラストはちょっと判断に困るところです。
直前のクリスの独白から「オリジナルではないんだろうな」とまでは思っていたのですが、ちょっとふわっとしたまま終わってしまいました。ソラリスって結局なんだったんだ……(答えはない)
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