HYLOGICS

今後は各分室にコンテンツを移して、ここは雑記や暮らしを中心としたライフログ的な何かにしていく予定です。

【料理】低温調理における素材ごと温度と時間のメモ

皆さんお肉を食べてますか?私は頑張って毎日食べることにしています(たまにサボる)

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実はつい先日低温調理器を自作(別途記事を書く予定)したので最近は専ら低温調理を色々試す日々を送っているのです。ただ、レシピブックがあるわけでもないので、だいたいAnovaのレシピを検索してパクリ参考にしたりしているのですが、正直お肉の種類ごとに温度と時間が変わって面倒くさいんですよね。毎回調べるのも疲れたよ……。

というわけで、よく使うものを自分用に一旦まとめておくことにしました。

はじめに

レバーやモツなど内臓系のお肉は低温では調理しきれず危険なので低温調理に用いてはいけない。

また、以下のレシピは自己責任で調理するようにし、作った料理は子供やお年寄りなど抵抗力の低い方には提供しないようにしてください。

単位は分ではなく時間です。

牛肉

ローストビーフ(モモ肉あるいは脂身を削ったバラ肉など)

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  • レア:56℃ 07:00~16:00
  • ミディアムレア:60℃ 06:00~14:00

メモ:Anovaのレシピを検索したところ55℃で2時間~のレシピを幾つか見かけた気がする。自分でも55℃ 2時間、56℃ 2時間、56℃ 12時間でそれぞれ実験済み。55~56℃ 2時間では正直噛み切るのに力が必要で顎が疲れるが、56℃ 12時間ではさっくり噛み切れるようになる。しかし若干レア感が足りない気も。60℃だとミディアムレアどころかウェルダンになりそうな気もする……。

個人的には55℃で6~12時間くらいがベストなんじゃないかなと思ってるので今度また試してみたい。

簡単なレシピ

  1. 肉を常温に戻す
  2. 塩(約1%……200gの肉なら約2g), おろしにんにくを刷り込む
  3. 上記の時間と温度で低温調理
  4. バター、牛脂などを用いて片面1~2分ずつ表面を炙る。火の通し過ぎに注意。スキレット等の鉄製のもので高い火力で炙れるとなおよい
  5. ラップなどをして表面が乾燥しないようにして、10~20分ほど休ませる(すぐに食べない場合は表面にラップ等をして冷蔵庫で保管し、切り分ける1時間ほど前に常温に戻す)
  6. 繊維の流れとは直角に、厚さ2~3mmほどで切り分ける

ビーフステーキ(ロースあるいは肩ロース、ランプ、サーロインなど)

  • レア:54℃ 01:00~02:00
  • ミディアム:58℃ 01:00~02:00

メモ:確か55℃ 02:00で試してみたが、厚さが2cmくらいしかない肉だったため表面を焼いてる間にある程度中まで火が通ってミディアムレアになってしまった。美味しかったけど正直これなら直接フライパンで焼いてもそんなに変わらないかもという感想。次やることがあれば厚みのある肉を買いたい。

簡単なレシピ

  1. 肉を常温に戻す
  2. 塩(約1%……200gの肉なら約2g), おろしにんにくを刷り込む
  3. 上記の時間と温度で低温調理
  4. 牛脂などを用いて片面ずつ表面を炙る。火の通し過ぎに注意。スキレット等の鉄製のもので高い火力で炙れるとなおよい
  5. ラップなどをして表面が乾燥しないようにして、焼いた時間の倍の時間を目安に休ませる

豚肉

ポークチョップ(ポークチャップ)、ポークステーキ、ポークソテー

  • レア:58℃ 01:00~03:00
  • ミディアムレア:62℃ 01:00~03:00

メモ:未実験

ローストポーク (モモやロースなど脂身少な目の肉で)

  • レア:58℃ 03:00~05:30
  • ミディアムレア:62℃ 03:00~04:00

メモ:試してみたけど詳細を覚えてない。気が向いたらまたやるかも。

鶏肉

むね肉、ささみ

  • 65℃ 01:00~03:00

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メモ:多分一番使う頻度が高い、いわゆる鶏ハムだとかサラダチキンとか。実際に65℃で2時間と3時間を試してみたが特に問題なし。味が染みるまで時間がかかるので下ごしらえは数時間~半日程度と長めに取る(もちろん冷蔵庫で保管)。サラダ用に60℃で01:00~03:00というレシピもあるみたいだけど個人的にはちょっと怖い。鶏肉にレアさは求めてないかな……。下ごしらえの際に塩以外に砂糖や蜂蜜、みりんなどを使ってほんのり甘さを付与すると美味しい。

モモ、手羽先、手羽元など

  • 65℃:00:45~05:00

メモ:そのうち試します

最後に、調理時間の根拠について

ここで紹介したものに関しては私個人は下記のように考えています。

  • 牛肉については表面のみ加熱すればよく、また低温調理後に高い火力で表面を再加熱するため温度の基準は不要
  • 鶏肉、豚肉については内部まで十分に減菌する必要がある

この場合、問題になるのは後者の鶏肉、豚肉の減菌です。では、どの程度の温度でどの時間加熱すれば良いのでしょうか?

これについては厚労省の「食品別の規格基準について」を参考にすることにしています。「食肉製品」の「非加熱食肉製品」を参照してみましょう。この中で低温調理に関係がありそうなのは以下のg項の記載です。

g 製品は、肉塊のままで、その中心部を次の表の第1欄に掲げる温度の区分に応じ、同表の第2欄に掲げる時間加熱し、又はこれと同等以上の効力を有する方法により殺菌しなければならない。この場合において、製品の中心部の温度が 35°以上52°未満の状態の時間を 170 分以内としなければならない。

第1欄 第2欄
55° 97 分
56° 64 分
57° 43 分
58° 28 分
59° 19 分
60° 12 分
61° 9分
62° 6分
63° 瞬時

h 加熱殺菌後の冷却は、衛生的な場所において十分行わなければならない。この場合において、製品の中心部の温度が 25°以上 55°未満の状態の時間を 200 分以内としなければならない。なお、冷却に水を用いるときは、流水(食品製造用水に限る。)で行わなければならない。

食品別の規格基準について |厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000071198.pdf

つまり、中心部が55℃であれば97分以上(56℃であれば64分以上、、、以下略)加熱することでよしとするわけです。この場合中心部まで熱が伝わる時間を付与して考える必要がありますが、室温から55℃まではよほど分厚い肉でなければ1時間あれば問題ありません*1。厚めの肉を使っているのでその辺が気になるという際は時間を多めに見て調理に取り掛かるとよいでしょう。

この考えがまとまるまでの間、下記のサイト(「エンジニアのメソッド」)には大変お世話になりました。

牛肉の真空調理、低温調理に必要な温度と時間

出典

www.chefsteps.com