HYLOGICS

今後は各分室にコンテンツを移して、ここは雑記や暮らしを中心としたライフログ的な何かにしていく予定です。

フリーランスと会社員の現実的なお金の話

ちょっと今週は仕事の話でドタバタしています。

その中で、フリーランスと会社員だとどれくらい金額面での違いを出す余地があるのか?フリーランスとして割高に契約した金額分だけのメリットを受け取ることが出来ているのか?といったことを考える機会がありました。

色々と誤解の多いフリーランスのお金の話ですが、実際のところどうなのか改めて考えてみましょう。

お金を支払う側の視点から

例えば、よくある誤解としてフリーランスってお金貰いすぎだよねという話があると思います。

実際にフリーランスがお金を請求する時にどこまでお金を請求しても大丈夫なのでしょうか。お金を支払う側の懐事情も相手が委託なのか雇用契約なのかで変わってきてしまいます。

フリーランス(個人事業主)と会社員だとどの程度違ってくるのかを見てみます。

※なお、ここから先に出てくる原価や給与・報酬は仮の金額です。

種別 個人事業 会社員
原価 640,000 640,000
給与/報酬 490,000 490,000
社会保険料
(会社負担)
0 71,060
粗利益 160,000 88,940
粗利益率 23.4% 12.3%

まず、ざっくり会社が15万ほど差っぴいて残りを給与としてみました。相手が個人事業主の場合はまるまる会社の取り分になる(販管費を省いてますが)ので、利益率は20%を超えています。

次に、会社員の場合は会社負担の社会保険料が大体15%くらいになるので、粗利が12%程度しかありません。さらにここから販管費や交通費、(あるのであれば)退職金の積立費用などを出さないといけないのですが、こんな粗利では利益が出そうにありません。

そこで、利益が大体同じ程度になるように調整してみましょう。

種別 個人事業 会社員
原価 650,000 650,000
給与/報酬 490,000 430,000
社会保険料
(会社負担)
0 62,527
粗利益 160,000 157,473
粗利益率 0.246 0.242

これで見かけ上の粗利は大体トントンになったと思います。

実際には会社員のほうが管理コストが高くなるのでもうちょっと金額は下がるかと思いますが、案件や会社の事情によって左右される部分が多いと思うのでここでは置いておくことにします。

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お金を受け取る側の視点では

次に、給与/報酬を受け取る側の視点から見ていきましょう。 わかりやすく比較するため、一旦個人事業主の経費をゼロとしてみました。

種別 個人事業 会社員
収入 490,000 430,000
経費 0 0
収支 490,000 430,000
年金 15,000 38,000
健康保険 39,000 22,000
所得税 32,000 12,350
住民税 34,000 21,000
手取り 370.000 336.650

個人事業主は厚生年金ではなく国民年金のため年金が安いのですが、会社員と異なり所得控除がほとんどないため保険料や税金は高くなってしまいます。このケースでは手取りが約33,000多い結果となりました。ただし、会社が負担している厚生年金を付与すると336,650 + 38,000 = 374,650 > 370,000となりわずかに逆転してしまいます。

では、経費や支出を踏まえて比較してみます。若干極端な例かもしれませんが、

  • 個人事業主の経費を15万、生活費を8万円 (家賃は事務所と案分しているものとします)
  • 会社員の生活費を18万円

として比較してみました。

種別 個人事業 会社員
収入 490,000 430,000
経費 150,000 0
収支 340,000 430,000
年金 15,000 38,000
健康保険 26,000 22,000
所得税 10,250 12,350
住民税 18,750 21,000
手取り 270.000 336.650
支出 80,000 180.000
総計 190.000 156.650

結構経費に落としているはずなのですが、それでもあまり差が出ません。やはり年金を入れると大体同じ程度でしょうか。

まとめ

会社員の方とお話していると「割高な報酬貰ってて羨ましい」とか「個人事業主って経費使い放題で良いよね」といった話をされることがあります。ただ、実際のところ1~2割報酬が高い程度では割りに合いません。仮に収支がトントンでも雇用契約ないですし、雇用保険だってないですからね。

さらに年金の積立が少ないのはなかなか頭が痛い問題です。俗に「会社員時代の2~3倍は稼げるようでないとフリーは向いてない」とは言いますが、もっとガンガン稼いでいかないと将来泣くことになりそうです。。。

参考にしたサイト

月給手取り計算

税金計算機 | 所得税・住民税簡易計算機

年金について - 国民年金保険料の額は、どのようにして決まるのか? | 日本年金機構

国民健康保険料シミュレーション 江戸川区公式ホームページ