読書メモ - エッセンシャル思考 PART3 "捨てる技術"
本日はエッセンシャル思考の読書メモ第三回になります。
前回までの読書メモはこちらから。
読書メモ - エッセンシャル思考 PART1 "エッセンシャル思考とは何か" - HYLOGICS
読書メモ - エッセンシャル思考 PART2 "見極める技術" - HYLOGICS
PART2 "見極める技術"の振り返り
前回のPART2 "見極める技術"では以下の項目に触れました。
【見極めるための環境を整える】
- 選択に自覚的になる
- 考えるための時間・場所を確保する
- 情報の本質を見る眼を養う
- 十分な睡眠を確保することで思考力を保つ
【見極めの基準】
- 明確で厳しく、そして正しい基準を採用する
今回読むのは上記で見極めをした後に「不要なものを切り捨てる」ステップになります。
多数の瑣末なことを容赦なく切り捨てる
肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うことである。
それでは、前回に引き続きPART3を読んでいこうと思います。
第10章 目標――最終形を明確にする
概要:リソースが正しいベクトルを持たないと内側に向かってしまう・バラバラになって整合性を持たなくなるので、方向づけをする正しい目標が大切
「かなり明確」を「完全に明確」にする
目的が明確でないときに発生する弊害
- 社内政治が蔓延する
- 何でも屋になる
メモ:みんながそれぞれ自分の目標に向かって行動した結果として効率が悪くなっていることを「何でも屋」と表現してますが、ちょっと違和感。
本質目標を決める
メモ:リソースを統合するための目標の立て方。ビジョンや価値観とは異なり具体性を持ち、短中期の目標等とは異なり意義をもつもの。
- 例1)「2012年までに、イギリスのあらゆる人がインターネットを使えるようにする」(インターネット普及推進プロジェクト
- 例2)「ニューオリンズの下9区に住む世帯のために、低価格で環境にやさしく、災害に強い家を150戸建設する」(ブラッド・ピットがハリケーンに見舞われたニューオリンズの復興のために設立した財団のミッションステートメント
本質を見据えて生きる
第11章 拒否――断固として上手に断る
ノーを言うのは、誰だって不安だ。せっかくのチャンスを逃すのは怖いし、自分の立場がまずくなるのは困る。
だが、そういう気持ちに打ち克ってノーを言うことができなければ、それよりはるかに大切なものを失うことになってしまう。
大切なことを知っていれば断ることができる
上手に「ノー」と言う技術を身につける
判断を関係性から切り離す
頼みを断ることが、相手を拒絶することだと感じてしまうのだ。この2つを分けて考えなくてはならない。
直接的でない表現を使う
時には直接的な表現を避けて、やんわりと断ることも必要
トレードオフに目を向ける
ここでイエスと言ったら、自分は何を失うのだろうか。そのトレードオフに目を向ければ、中途半端なイエスは言えなくなる。
誰もが何かを売り込んでいる
好印象よりも、敬意を手に入れる
うまく依頼を断ることは、「自分の時間を安売りしない」というメッセージになる。
あいまいなイエスはただの迷惑
あいまいにしておいて結局断るくらいなら、その場ですぐに断るほうがいい。相手へのダメージもずっと少なくてすむ。
メモ:つい安請負しがちなので「好印象よりも敬意」というフレーズは刺さりました。
断り方のレパートリーを増やす
項目だけ挙げておきます。
- とりあえず黙る
- 代替案を出す
- 予定を確認して折り返します
- 自動返信メール
- どの仕事を後回しにしますか?
- 冗談めかして断る
- 肯定を使って否定する
- 別の人を紹介する
メモ:すぐにイエスと言わないように「とりあえず黙る」「折り返す」、「代替案を出す」「優先順位の変更」でトレードオフを持ちかける。この辺は普段からやってますね。「自動返信メール」は日本じゃ一般的じゃないので使い辛いんじゃないかな。「冗談めかして断る」「肯定を使って否定する」は京都の人がぶぶ漬け出す的な話で上級者向けだと思う、難易度高い。「別の人を紹介する」は場合によってはあり。誰でもいいような仕事を他人に振るとギクシャクしがち(そこも技術なのかな)だけど、自分より専門的な人を紹介する場合は良いと思う。
第12章 キャンセル――過去の損失を切り捨てる
要約:サンクコスト(埋没費用)、授かり効果(所有物を高く評価する)というバイアスから自由になろう
途中でやめることはなぜ難しいのか
上手に手放すテクニックを身につける
- 持っていないふりをする
- 「もったいない」を克服する
- 失敗を認め、成功に向かう
- 靴に足を合わせる心理
- 第三者の意見を聞いてみる
- 現状維持バイアス
- ゼロベースで考える
- 流れで引き受けるのをやめよう
- 何かを言う前に、5秒待つ
- これをやめたら損をする?
- 逆プロトタイプ
今やっていることを試験的にやめてみて、不都合があるかどうかたしかめる
メモ:この章は行動に対する断捨離の話ですね。ちょっとまとまりがない感じがしました。「失敗を認めろ」は、仕事はともかく生き方については耳が痛い。ゼロベース思考については逆に最近「何でもゼロベースでやるのは効率が悪い」と思うようになってきたのですが、そういう習慣がない人向けの話だと思えば納得です。
第13章 編集――余剰を削り、本質を取り出す
要約:不要なものや余分なものを切り捨てることで、本質が際立ってくる
編集の4原則を知る
- 削除する
- 凝縮する
- 修正する
- 抑制する
メモ:少し前に「引き算のデザイン」が取りざたされましたね。足し算ではなく引き算で価値を高めることが出来る、そのためには具体的にどう引き算をするのか。
第14章 線引き――境界を決めると自由になれる
要約:自分の境界をはっきり宣言することで他人からのわずらわしい干渉をシャットアウトする
面倒くさい人たちと一線を画す
- 他人の問題を横取りしない
- 境界線を引いて自由になる
- 自分の境界線がどこかを知る
- 難しい相手とは契約を結ぶ
自分が何を優先するか、何が妥協できて何ができないか、その線引きを宣言した。ここはゆずれないという線をたがいに引いたのだ。めざすものと、ゆずれない線が明らかになれば、相手に間違ったことを期待しなくてすむ。相手がいやがる要求は未然に防げるし、重要なことの邪魔をして機嫌を損ねることもない。
感想
このPARTは「断る技術」の話だと勝手に思い込んでいたのですが、並べてみると
- 第10章の概要:方向付けとなる目標の立て方
- 第11章の概要:断る手法
- 第12章の概要:立ち止まって考え直すことで余計なものを捨てる
- 第13章の概要:引き算の思考法
- 第14章の概要:境界線を引いて余計なものを入れない
となり「断る技術」の話をしているのは11章と14章だけでした。ただ、こうして振り返ってみるとこのPARTのタイトル「捨てる技術」に納得です。
次回はPART4の"しくみ化の技術"です。「見極める技術」「捨てる技術」ときて、最後はこれらを日常のスキームに取り込むための仕組みづくりの話ですね。
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