HYLOGICS

今後は各分室にコンテンツを移して、ここは雑記や暮らしを中心としたライフログ的な何かにしていく予定です。

東京五輪エンブレム騒動 私感

はじめに

今回の騒動は基本的にニュートラルな立ち位置で見ていたつもりだしそういう人も多いと思うんだけど、「佐野バッシングこそがネットの総意である」みたいな煽りを最近見かける気がするのでそれはちょっと心外かなと。元よりモヤモヤしていたこともあり、ちょっと私感をまとめてみた。

当初から一部で批判を受けていたエンブレム

ネットでは「ダサい」「招致ロゴのほうが良かった」といった意見が散見された。個人的には「招致ロゴのほうが分かりやすくて好みだけど言うほどエンブレムも悪くないんじゃないかな」と無難な感想。でも五輪ボランティアの制服はダサいと思う。

訴訟騒ぎ

ベルギーリエージュ劇場のロゴに酷似しているとして訴訟騒ぎになった件、ニュースで取り上げられて話題になった。ここで関心を持った人も多いんじゃないかな。

私は別に「似てなくはないけど単純な図形だしパクりというほどでもないのではないか」と思った。父が「佐野の弁解は筋が通らない。劇場を知らない、行ったことがない、などということは模倣の弁解にはならない。デザイナーは資料を見て仕事をするので、弁解するならまだそんな資料はなかったという話をすべき」と憤慨していたのが記憶に残っている。

パクり疑惑

ネットでおなじみパクり・パクられの比較サイトが作られ大量にパクり元と思われるものが発掘される。フランスパンの画像流用とBEACHのパクりは言い逃れ出来ないわ……。

この頃テレビで「コピー」「模倣」「オマージュ」「トレース」の違いなんかを説明していたのだけど、「トレース」と「模倣」の違いなんて言っても相手は英語で喋ってるんだからトレースも上から線をなぞる行為じゃなくても日本語に訳せば模倣になるだろうがクソが、なんて思いながら聴いてた。

パクり疑惑を受けたトートバッグの取り下げ

フランスパンの画像流用でサントリーからトートバッグの一部デザインを取り下げに。

「本人デザインではなくて監修ならそういう問題が起きることもありうるかな」と思ってたんだけどTVで放映された佐野氏側の態度が非常にいただけないものだったのを覚えている。確か本人じゃなくて奥さんだったと思うのだけど、私はここで心証を悪くしてネガティブな立ち位置に。マスコミの報道や取材に気分を害していたというのはあるんだろうけどね。

審査委員会によりエンブレムのデザイン原案が公表

これが致命的だったなあ。修正前後でコンセプトが違うのってコンペの意味ないじゃないか。

おまけに修正前の案も早々にパクり元と見られる画像が見つかってしまう。ただ、原案はパクりじゃなくても東京五輪のエンブレムとしてはどうなんだろうという感じでなぜこれが選考を通ってしまったのか。修正後のほうが明らかに良いデザイン。

エンブレムの取り下げ

佐野氏からのエンブレムの取り下げ依頼を受け、組織委員会がこれを承認。正式に取り下げとなった。

佐野氏から「私は悪くないが一部のメディアがネガティブで家族に迷惑をかけるので取り下げる」というスネた子供みたいな声明が出されるがまさに最後っ屁という感じ。審査委員会も「デザインの良し悪しは一般人には分からない」と発言するなどやはり心証はよろしくない(これは取り下げが決まる前だった気もする)。

総括

一部(だと思う)ネット民のヘイト(およびそれを増幅し続けたマスコミ)と戦い続けた佐野氏が最終的に根負けした形。

一貫して佐野氏側と審査委員会の(上位者目線の)対応が炎上に油を注ぎ続けた。トートバッグの騒動辺りで真摯に対応すればリカバリ出来たんじゃないだろうか。五輪エンブレム自体はやはりパクりとする論拠には少し苦しいものがあり、デザイン自体もそう悪くないので押し通せたんではないかなあ。

最近思うのは、テレビに代表されるマスコミってネットの事件を扱う時にまとめサイトみたいなやり方するよね。中立みたいなツラして悪意を煽りおる。いや、まとめサイトがマスコミ真似てんのか。

しかし佐野氏の最後っ屁はいただけない。取り下げが本意でなくてもさ。。。

誰が責任とるのか?って話が宙に浮いてる気がするけど、普通に考えて審査委員会が責任を負うべきじゃないですかね。再編成はやむなしかと。

以下の記事が良くまとまってるので併せて読んで欲しいです。

Open ブログ: ◆ 五輪エンブレムは決着したか?

余談

上記の時系列をテレビで解説していたんだけど、解説するたびに時系列の横に佐野氏のドヤ顔画像を並べていったのが面白かった。

案外、あのドヤ顔が生理的に受け入れられないというのが炎上のきっかけだったのかもしれない。

今日から始める思考のダイエット

今日から始める思考のダイエット

佐野研二郎のWORKSHOP

佐野研二郎のWORKSHOP